オイリュトミーと出会うまで
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2024年8月31日
横手 千代
オイリュトミスト、オイリュトミー講師
目次
必然の出会い「ミュンヘンの小学生」
福岡教育大学で障害児教育(精神薄弱教育課程)を学び始めた私は、何故かドイツに惹かれて第一外国語にドイツ語を選択していました。そんな私が大学内の生協の売店でふと目にした、偶然ではなく必然であったと思う一冊の本『ミュンヘンの小学生』(子安美知子著)。テストも教科書もなく、美しい彩にあふれたノートを子ども自身が作り上げていく楽しそうな面白そうな教育。私も受けてみたいと思ったシュタイナー教育との出会いでした。
シュタイナー教育と治癒教育
その後もその売店(書店)は、私とシュタイナー教育の出会いの場でした。素晴らしい教育実践家である斎藤喜博先生の『開く』という雑誌では、シュタイナー教育には治癒教育もあること、そして東大を卒業した若者が2人、まさにドイツのシュタイナーの治癒教育施設に学びに行かれていることを知りました。さらに、『人智学を基盤とする治癒教育の実践』(新田義之、貴代共著)は、学生には簡単に手の届かない立派な装丁の本でしたが、コツコツ生活費をためてやっと手にいれると、その中には障害を持ちながらも、生き生きと活動する子どもたちや劇の役者になりきって堂々と演じている青年たちの姿がありました。それを見た時の驚きと感動は今も忘れられません。そして障害児ではなく、「その子の本質(精神)には障害はなく、魂の養護が必要な子どもたち」なのだという考えにも出会った新鮮な驚きの本で、大切な宝物となりました。
自由旅行ーミュンヘン~ベルリンへ
4年生になる前の春休みには、ミュンヘンでの2週間の語学研修と1週間の自由旅行というツアーに参加して、ミュンヘンのシュタイナー学校やベルリンの治癒教育施設の見学を試みました。ちょうど復活祭の休暇中で、シュタイナー学校は外側から見るだけでしたが、ベルリンの治癒教育施設は、子どもたちはいませんが建物の中を案内してもらい、暖かな落ち着きのある素敵な空間にほっと深呼吸をさせていただきました。
子安美知子さんとの出会い
大学を卒業して公立小学校に務めた私は1年目の新任研修で再びシュタイナー教育に出会うことになりました。子安美知子さんが講演してくださったのです。『ミュンヘンの中学生』についてお話してくださいました。
それから3年後、私はどうしてもシュタイナー教育を学びたくなり、子安さんに連絡をして上京することにしました。当時はちょうど、シュタイナーの家という学びの場が高田馬場の学校の空いている時間に教室を借りてできたところでした。いろいろな本の読書会やフォルメンの勉強会が夜間に、日曜日の昼間には水彩の会が開かれて、たくさんの若者が集っていました。
オイリュトミーを学ぶ、という確信
そして、子安さんに勧められて、新宿のカルチャセンターで行われていたオイリュトミーも体験することにしたのです。
新宿のビルの47階だったと思います。どんなものだろうとドキドキしていった私ですが、オイリュトミストの上松さんの暖かい生きた言葉の力に、生のピアノの音の響きの空間への広がりに、そしてその言葉や音と共に動くことに心の底から喜びを感じました。こんな世界があることに感動して「私はシュタイナー教育を学ぶ前に、オイリュトミーを学ばなければいけない。」と確信し、ミュンヘンのオイリュトミー学校に留学することを決めたのでした。
2024年9月 にもオイリュトミープロジェクト福岡公演に寄せて