オイリュトミーを通して見えてきた自分の土台
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2024年9月8日
西田 歩夢
チェリスト、国立音楽大学非常勤講師
目次
リハーサルで見えたもの
チェリストの西田歩夢と申します。今回のオーケストラオイリュトミーには主に直前の集中練習の際に参加しました。そのリハーサルのときに、自分の土台となっているものが少し見えた気がしたというお話を代表の小林さんにしたところ、ぜひコラムに書いて欲しいとお話をいただき、ここに記すことにしました。
シュタイナー教育ーオーケストラの響き、芸術との触れ合い
音楽との出会いはきっと幼稚園の頃だったのでしょう。記憶にありませんが、シュタイナー幼稚園だったのでオイリュトミーをやっていたと思います。
家族どころか親戚にも音楽と関わりのある人はいなかった私が、チェロを始めたいと親に強請ったのは小学5年生の頃でした。通っていたシュタイナー学園の日々の授業の中で音楽や芸術に触れ、また、上級生の演奏するオーケストラの響きに魅了されたからだと思います。
高校生の時には、クラスメイトと自発的にアンサンブルを披露することもありました。たった26人のクラスメイトの中にヴァイオリン・チェロ・フルート・クラリネットをやっている人がいて、これもまた、シュタイナーならではのことだったということに後から気づかされました。
圧巻、見えるオーケストラオイリュトミー
音楽を目で見るということはできません。作曲家が音楽を楽譜に書き起こして見える形にして遺してくれましたが、楽譜から読み解いて、音楽として再現するのは実はとても難しい作業なのです。
そんな音楽が視覚的に見えるようになるのがオイリュトミーだと思いました。オーケストラとなると十数種類の楽器が様々に演奏されます。それぞれの役割が見える化されるオーケストラオイリュトミーは、リハーサルを見ていて圧巻でした。音大生にもとても良い勉強になると思うのでぜひ観てもらいたかったですし、さらにはオイリュトミーをカリキュラムに取り入れて欲しいと思ったくらいです。
シュタイナー教育で育まれた感覚
私はオーケストラが好きで、その勉強のために音楽大学へ進学しました。大人数で一つのものを作り上げることが好きだったからです。これは、オイリュトミーであったり、あるいは演劇であったりといったシュタイナー教育によって育てられたことなのかなと、これが今回のオーケストラオイリュトミーのリハーサルで感じたことです。
福岡公演では、オーケストラこそありませんが、オイリュトミストたちの姿から様々な響きを感じ取ることができると思います。素晴らしい舞台となることをお祈り申し上げます。
2024年9月 にもオイリュトミープロジェクト福岡公演に寄せて